外反母趾:保存治療¶
原則
- 外反母趾の 基本治療はインソール(足底板)
- 「曲がっているだけ」では手術適応にしない
- 保存療法は 変形進行を止める より 症状(中足骨頭痛・靴あたり)を緩和する ことが目的
1. インソール(足底板)— 第一選択¶
外反母趾の保存治療の 柱。
目的¶
- 第2・3 中足骨頭への過負荷を軽減(metatarsalgia 対策)
- 内側縦アーチのサポート
- 第1列の機能補完
- 足底胼胝の予防・改善
主な構成要素¶
| 部位 | 目的 |
|---|---|
| メタタルザルパッド(中足骨頭の 近位 に配置) | 中足骨頭直下への直接荷重を回避 |
| 内側縦アーチサポート | 扁平足合併例での過回内補正 |
| 拇趾外転パッド | 母趾外反の機械的補正(補助的) |
| ヒール cup | 後足部安定化 |
処方のコツ¶
- 入谷式・既製・オーダーメイドのいずれも有効
- 必ず歩行評価をして調整(pressure mapping が理想)
- 2–4 週で再評価し、パッド位置・硬度を調整
2. 靴指導¶
- Toe box が広い 靴を最優先
- ヒール 3 cm 以下
- 革質はやわらかいもの(バニオン部の圧迫回避)
- 整形靴・オーダーメイド靴の検討
- 仕事でハイヒール必須の場合は通勤時のみ着用、業務中は楽な靴に履き替え
3. 装具・パッド¶
- Toe spacer(第1-2趾間)— 夜間中心、日中はかさばる
- 夜間スプリント
- バニオン保護パッド(皮膚あたり対策)
- テーピング(短期効果あり、長期は装具へ)
4. 運動療法¶
- 内在筋トレーニング(short foot exercise, toe spread)
- タオルギャザー、足趾じゃんけん
- 母趾外転筋の強化
- アキレス腱・腓腹筋ストレッチ(前足部負荷軽減)
5. 薬物療法¶
- NSAIDs(炎症期、外用優先)
- アセトアミノフェン
- 関節内注射は限定的(MTP OA 合併時)
6. 患者教育¶
- 「治す」のではなく「うまく付き合う」治療
- インソールの 継続使用(履き替えないと効果消失)
- 靴の選び直し
- 急に痛みが出たら無理せず受診
7. 手術へ進む判断¶
手術適応の核
- 変形だけ・整容目的のみは手術非適応
- 第2・3 中足骨頭痛が強く ADL/QOL 障害がある → 手術適応
- 保存療法 6 か月以上 で疼痛・ADL 障害が続く
- 患者の年齢・活動性・期待値を踏まえた共同意思決定
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