変形性足関節症:病態・診断
本ページは 病態 と 診断 を統合しています。
1. 特徴と疫学
- 大関節 OA の中では 股・膝に比べ二次性が多い
- 主因: 過去の足関節骨折・靱帯損傷(post-traumatic OA: 70–80%)
- 一次性 OA は 10–15% と少数
- 患者層: 30–70 代、外傷既往あり中高年が中心
2. 主因
| 病因 |
頻度 |
典型例 |
| 足関節骨折既往 |
高 |
Pilon 骨折、二・三果骨折 |
| 反復捻挫(CAI) |
高 |
スポーツ歴、慢性不安定症 |
| 距骨骨軟骨損傷(OLT) |
中 |
蓄積性損傷 |
| 後足部アライメント異常 |
中 |
内反足、扁平足 |
| 関節リウマチ |
低 |
滑膜炎主体 |
| 痛風・血友病性関節症 |
稀 |
結晶誘発性/出血性 |
3. 病態の特徴
- 距腿関節中心の軟骨摩耗、骨棘形成
- 内反型が多い(後足部内反、外側靱帯破綻、距骨内反傾斜)
- 距骨下関節・横足根関節への波及
- 前方インピンジメント(dorsal osteophyte)
4. 自然経過
flowchart LR
A[外傷・捻挫] --> B[骨軟骨損傷 OLT]
A --> C[アライメント不良]
B --> D[早期軟骨摩耗]
C --> D
D --> E[早期OA Takakura I-II]
E --> F[進行期OA III-IV]
F --> G[末期: 強い疼痛・歩行困難]
- 進行性、ただし速度は個人差大
- 内反変形進行 → 立位不安定 → 隣接関節への二次負担
- 末期: 強い疼痛、歩行困難、就労継続困難
5. 病歴
| 項目 |
ポイント |
| 既往 |
足関節骨折・捻挫の 詳細と時期(受傷から OA まで何年か) |
| 疼痛部位 |
前内側 / 前外側 / 後方(鑑別の手がかり) |
| 疼痛パターン |
歩き始め痛、活動後痛、夜間痛 |
| 機能 |
可動域制限の認識、跛行の出現時期 |
| 仕事・ADL |
立ち仕事の時間、階段昇降、長距離歩行可否 |
| 期待値 |
活動レベル・希望(後療法プロトコルに直結) |
6. 身体所見
- 跛行(antalgic gait、内反変形による外側荷重)
- 後足部アライメント(立位・荷重位での観察、内反/外反)
- 関節可動域(背屈・底屈、健側比)
- 圧痛部位、骨棘の触知
- 関節水腫
- 距骨下関節・横足根関節の可動性
- 神経学的所見(腓骨神経)
- アキレス腱拘縮の有無(背屈制限の原因)
7. 画像検査
| 検査 |
目的 |
| 荷重位X線(正面・側面・モーティス) |
標準。関節裂隙、骨棘、軸ずれ |
| 後足部アライメントビュー(Saltzman) |
後足部内反/外反角 |
| Weight-bearing CT(WBCT) |
3 次元評価、距骨下・後足部の正確な評価、術前計画に必須 |
| MRI |
軟骨・骨髄浮腫、術前精査 |
| ストレスX線 |
残存不安定性の評価 |
8. 分類
8-1. Takakura-Tanaka 分類(内反型)
| Stage |
所見 |
| I |
早期硬化、軟骨保持 |
| II |
内側関節裂隙狭小化 |
| IIIa |
関節裂隙消失(前内側) |
| IIIb |
関節裂隙消失(内側全体) |
| IV |
距骨の傾き、関節破壊 |
8-2. COFAS Classification
- アライメントベース(内反 / 中立 / 外反)+ 隣接関節評価
- 術式選択(TAA 適応)の参考に有用
9. 鑑別
- 関節リウマチ・他炎症性関節炎
- 痛風・偽痛風
- 距骨壊死
- Charcot 関節(特に糖尿病性)
- 距骨骨軟骨損傷の単独病変
- 後脛骨筋腱機能不全(外反扁平足)
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